目次(まとめ)

  • ◾️ 座長に紹介されてから発表をはじめる

  • ◾️ 研究発表で使える例文やフレーズを紹介

  • ◾️ 質疑応答で使える表現を紹介

  • ◾️ 関連記事

  • ◾️ 参考文献


今度、大学で英語で研究発表しないといけなくなりました。英語で研究発表をしたことがないので、基本的な流れや例文を知りたいです。

最近では「国際化」の流れで、日本で開かれる会議であっても英語での発表が求められることが多くなってきました。

今回の記事では、英語の研究発表の基本的な流れや役立つフレーズを紹介します。

座長に紹介されてから発表をはじめる

日本語、英語は関係なく、研究発表会は座長(博士課程の学生や先生などが務める)の指示にしたがって行います。

座長
座長

Now it's time to begin the first session of the today's program.(それでは本日のプログラムの最初のセッションを始めたいと思います)

The first presentation will be "A study of .... " by Mr. Yamada of the University of Tokyo.(最初の発表は「...の研究」で、東京大学の山田さんの研究です)

このような紹介があったら、発表をはじめます。

発表者
発表者

Thank you for your kind introduction.(ご紹介ありがとうございます)

[場合によって] I am grad to have a chance to give my presentation for this conference.(この会議において、発表する機会が得られて嬉しく思います)

We will talk about "A study of ....".(「...の研究」についてお話しします)

場合や立場にもよりますが、自己紹介などに時間を消費しすぎても仕方がないので、できるだけ端的に発表の内容に進めるようにしましょう。

例えば、研究タイトル(「...の研究」)が長い場合などで、座長からも紹介があったのであれば、短く省略するなど工夫して対応しましょう。

研究発表で使える例文やフレーズを紹介

Obejectives|目的

特に、聴衆がネイティブ出ない場合には、目的を箇条書きで示すようなスライドを準備して、それぞれの目的を指し示しながら淡々と読み上げるといいと思います。

発表者
発表者

We have three objectives in this study.(この研究では、3つの目的を設定しています)

Firstly, we ....(1つ目に、私たちは、...)

Secondly, we ....(2つ目に、私たちは、...)

Finally, we ....(3つ目に、私たちは、...)

Other contents|その他の中身

例えば、図を説明するときには、以下のような表現を使うことができます。

発表者
発表者

Here we illustrate ....(ここで、私たちは ... を示しています)

Each circle denotes ....(それぞれの丸は ... を意味しています)

The horizontal axis shows ....(横軸は ... を示しています)

The vertical axis shows ....(縦軸は ... を示しています)

Each boxplot represents ....(それぞれの箱ひげ図は ... を示しています)

This figure makes it possible to ....(この図は ... することを可能にします)

研究発表での提案事項を明確にする場合には、以下のような表現を使うことができます。

発表者
発表者

In this study, we propose to use ....(本研究では ... を使うことを提案します)

The method has great advantages in terms of ....(この方法は、... の点で大きな利点があります)


それぞれのスライドでは、そのスライドで示す内容を「なぜ」示そうとしているのか、まず動機を述べるとわかりやすい研究発表に繋がると思います。例えば、シンプルに「To investigate ...」などの文章を述べるイメージです。

逆に、それぞれのスライドの説明を終えるときには、そのスライドで何が言いたかったのか述べるために、「This result suggests that ...」というようなまとめの一言を述べるといいと思います。

また、国際学会などに多数参加したわたしの経験からいうと、スライドの上に「Methods」や「Results」といった単語を載せるのは、あまり一般的ではありません。その代わりに、そのスライドでいいたいことを端的に記述するのがスタンダードです。極端なことをいうと、英語を聞き取れなくても、スライドの上の文章だけを読んでいれば、発表内容が理解できるイメージです。

Conclusions|結論

結論をまとめたスライドを準備して、結論を述べていきます。

発表者
発表者

We summarize this talk.(今回の発表をまとめます)

最後に、以下のような一言を追加するといいと思います。

発表者
発表者

Thank you for your attention.(ご清聴ありがとうございました)

質疑応答で使える表現を紹介

英語での研究発表で一番の不安は、やはり「質疑応答」だと思います。

なぜなら、発表自体は原稿を読んだり覚えたりすれば対応できますが、質疑応答は、何が聞かれるかわからないからです。

質疑応答では、以下のような表現が使えます。

発表者
発表者

Thank you for your good comments and suggestions.(素晴らしいコメントとご提案ありがとうございます)

I am sorry I could not hear you. Would you say that once again?(すいませんが聞こえませんでした。もう一度お願いできますか?)

I hope I have answered your question well.(ご質問にうまく答えられていればいいのですが)

Let me discuss later.(あとで議論させてください)


英語での質疑応答は、緊張する場面かと思いますが、一番よくないのは無言になることだと思います。会話が成り立っていなくてもいいので、とりあえず何か答えましょう。質問者がネイティブであれば、「発表者は英語が苦手」と理解して、わかりやすく質問しなおしてくれるかもしれません。質問者がネイティブでなければ、お互い理解できていないと思って、あとで日本語で話しましょう。

関連記事

参考文献

石井隆之「国際会議・スピーチ・研究発表の英語表現」ベレ出版


今回の記事では、英語で研究発表を行うときに使える表現や例文、Tipsを少し紹介しました。日本語で行う発表より準備時間は要するかもしれませんが、英語での発信力が養われる貴重な機会だと思って、頑張りましょう。

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