目次(まとめ)

  • ◾️ 給料の多さは、幸福度や満足度とは無関係

  • ◾️ 仕事の幸福度を決めるのは「自由」「達成」「焦点」「明確」「多様」「仲間」「貢献」の7要素

  • ◾️ レビュー記事


就職活動を控えていますが、特にやりたいこともなく、どのように仕事を選んだらいいのかわかりません。安定的な生活ができるように、給料がいい会社を選ぶのがいいでしょうか?

今回の記事では、クロスメディア・パブリッシングから出版されている「科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方」を紹介します。

本書の中では、さまざまな統計調査のデータをもとに、例えば「給料の多さ」や「その仕事が好きかどうか」「仕事が楽かどうか」などで会社選びをするのはNGであると紹介されています。

給料の多さは、幸福度や満足度とは無関係

「給料が高い会社に勤めたい」という思いは、多くの人にとって共通だと思います。

しかし、本書で紹介されている、"給料の多さ" と "幸福度" や "満足度" との関係を調べた研究成果では、相関が "0.15" となっています。

例えば、「給料が多い人が幸福度が高い」「給料が多い人が満足度が高い」ということであれば、相関係数は "1.0" になります。

逆に、「給料が多い人が幸福度が低い」「給料が多い人が満足度が低い」ということであれば、相関係数は "-1.0" になります。

この研究成果で得られている "0.15" という相関係数からは、「給料の多さは、幸福度や満足度とは無関係」ということがわかります。

また、この相関係数は、アメリカや日本、インド、タイなど、さまざまな国で得られたデータを総合的に評価した場合の結果なので、日本のデータだけでみると、また違う相関係数になるのかもしれません。

本書では、ある程度の年収を越えれば、幸福度や満足度もあるレベルで変化しなくなることが紹介されています。

仕事の幸福度を決めるのは「自由」「達成」「焦点」「明確」「多様」「仲間」「貢献」の7要素

本書では、仕事の幸福度を決める要素として、以下のようなものが紹介されています。

仕事の幸福度を決める7つの要素

✔︎ 自由 (その仕事に裁量権はあるか?)
言葉通り、自由に仕事ができれば、幸福度を高めることができます。

✔︎ 達成 (前に進んでいる感覚は得られるか?)
日頃している仕事がどこに向かっているか感じることができないと、幸福度が下がってしまいます。

✔︎ 焦点 (自分のモチベーションタイプに合っているか?)
自分の性格や人間性にあった仕事であれば、幸福度があがります。

✔︎ 明確 (なすべきことやビジョン、評価軸はハッキリしているか?)
"達成" と似たような要素ですが、進む方向が明確であれば、幸福度が上がります。

✔︎ 多様 (作業の内容にバリエーションはあるか?)
さまざまな作業を行うことができれば、幸福度が上がります。

✔︎ 仲間 (組織内に助けてくれる友人はいるか?)
一人閉じた世界で仕事をするような職場では、幸福度が下がります。

✔︎ 貢献 (どれだけ世の中の役に立つか?)
自分の仕事が、世の中に役に立てていることを実感できれば、幸福度が上がります。

例えば、"研究者" という職業について考えてみると、"自由" や "多様"、"仲間" という点で幸福度の高い職業なのではないかと思います。

一方で、"達成" や "貢献" という点では、研究分野にもよりますが、なかなか味わうことが難しいと思います。

できるだけ、これらの7つの要素を満たせるような仕事を選んでいけるといいですね。

レビュー書籍

鈴木祐「科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方」クロスメディア・パブリッシング


今回の記事では、仕事の選び方を学ぶために「科学的な適職」という本をレビューしました。いろいろな統計データがでてくるので、数字が苦手な方は読みにくいかもしれませんが、仕事選びの役に立つかもしれません。

B!