目次(まとめ)

◾️ マルコフさんは19世紀後半のロシアの数学者

◾️ マルコフ過程とは、未来の状態が現在の状態だけから決まることを意味する

◾️情報処理試験で出題された問題を例に解説

◾️ 参考文献

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こんにちは、みっちゃんです。

今回の記事では、未来の状態は現在の状態だけから決定されるという確率過程である「マルコフ過程」について解説します。

マルコフさんは19世紀後半のロシアの数学者

今回の記事で取り扱う「マルコフ過程」は、19世紀後半から20世紀初めに "確率過程" の分野で活躍したロシアの数学者である、アンドレイ・アンドレエヴィチ・マルコフ(Andrey Andreyevich Markov)さんの業績の一つです。

ここで、"確率過程" とは "時間とともに変わっていく確率変数" のことを意味します。

ちなみに、Wikipediaによると、マルコフさんの息子さんも有名な数学者として知られているようなので、マルコフ家は数学一家と言えそうです。

マルコフ過程とは、未来の状態が現在の状態だけから決まることを意味する

マルコフ過程は、よく「天気」を例に説明されます(実際に天気がマルコフ過程にしたがうかどうかはわかりません)。

例えば、昨日の天気が "雨"、今日の天気が "晴れ" だったとき、明日の天気がどうなるかを決めるのは "今日の天気" だけであって "昨日の天気" は関係ない、と考えるのが「マルコフ過程」です。

厳密には、この確率過程は「単純マルコフ過程」であり、直前の \(n\) 個の状態から次が決まるような確率過程は「\(n\) 重マルコフ過程」と呼ばれます。

情報処理試験で出題された問題を例に解説

マルコフ過程に関連する問題は、情報処理試験にも出題されます。

例えば「雨の2日後が晴れである確率を求めなさい」といった問題です。

マルコフ過程を考えようとすると、「雨の2日後の天気」を決めるのは「雨の1日後の天気」、さらに、「雨の1日後の天気」を決めるのは「(今日の)雨の天気」ということになります。

そこで、考える必要があるのは、次の3つの場合が起こる確率になります。

(1) 雨 → 晴れ → 晴れ
(2) 雨 → 曇り → 晴れ
(3) 雨 → 雨 → 晴れ

この矢印に相当する確率が問題文で与えられているので、その情報を使えば、確率を求めることができます。

参考文献

きたみりゅうじ「キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者」技術評論社

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