目次(まとめ)

◾️ 変動比率を求めて、損益分岐点での売上高を求める

◾️ 安全余裕率と限界利益率を求める

◾️ 参考文献


こんにちは、みっちゃんです。

今回の記事では、商売を行うときに「利益」と「損失」が分岐する点である「損益分岐点」について紹介します。

変動比率を求めて、損益分岐点での売上高を求める

商売を行うときには、固定費や変動費などを考慮して、売上高の中に占める利益や損失の額を考えるため「損益分岐点分析」を行う必要があります。

例えば、令和元年秋に実施された応用情報処理技術者試験では、以下のような売上高などを示す企業Aと企業Bについて、損益分岐点分析を行うことが求められています。

企業A企業B
売上高2,000万円2,000万円
変動費800万円1,400万円
固定費900万円300万円
営業利益300万円300万円

このような情報が得られた場合には、まず「変動比率」を求めることが重要です。
$$(変動比率)= \frac{(変動費)}{(売上高)}$$
これを計算すると、以下のような情報が得られます。

企業A企業B
変動比率0.40.7

図で示しているように、損益分岐点においては、以下の関係が成り立ちます。
$$(損益分岐点売上高)=(損益分岐点変動費)+(固定費)$$
さらに、
$$(損益分岐点変動費)=(損益分岐点売上高)\times(変動比率)$$
で求めることができるので、以下の関係が成り立ちます。
$$(損益分岐点売上高)=(損益分岐点売上高)\times(変動比率)+(固定費)$$
これを計算すると、以下のような情報が得られます。

企業A企業B
損益分岐点売上高1500万円1000万円

安全余裕率と限界利益率を求める

試験では、「安全余裕率」や「限界利益率」を計算する必要があります。

$$(安全余裕率)= \frac{(売上高)-(損益分岐点売上高)}{(売上高)} \times 100$$
利益がでるか損失がでるかの分岐点である損益分岐点での売上高と同じくらいの売上高しか得られていない場合には、経営的に危険があるので、安全余裕率は小さい値になります。当然、安全余裕率は、高い方が健全な経営状況といえます。

$$(限界利益率)= \frac{(売上高)-(変動費)}{(売上高)} \times 100$$
売上高から変動費を引いた値を「限界利益」といい、限界利益率では、売上高にしめる限界利益の割合を計算しています。

参考文献

きたみりゅうじ「キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者」技術評論社