こんにちは、みっちゃんです。
最近話題の「量子コンピュータ」は、「量子力学」の考え方に基づく新しいコンピュータです。
つまり「量子コンピュータ」を理解するには「量子力学」の理解が不可欠です。
とはいえ、「量子力学」は、私たちの常識が通用しない現象を理解するための学問であるため、難しい印象があります。
そこで今回の記事では、量子力学で有名な「猫」に登場してもらって、量子力学のエッセンスを紹介したいと思います。
目次(まとめ)
- シュレーディンガーさんは量子力学の発展に貢献した
- 量子力学は、わたしたちの常識が通用しない世界を規定する
- シュレーディンガーさんの思考実験「シュレーディンガーの猫」
- 参考文献
シュレーディンガーさんは量子力学の発展に貢献した
量子力学といえば、オーストリア人のシュレーディンガーさんがとても有名です。
本名はとても長く「エルヴィーン・ルードルフ・ヨーゼフ・アレクサンダー・シュレーディンガー(Erwin Rudolf Josef Alexander Schrödinger: 1887〜1961)」です。
今回の記事で紹介する「シュレーディンガーの猫(1935)」をはじめ、「シュレーディンガー方程式(1926)」などさまざまな業績を残しています。
量子力学は、わたしたちの常識が通用しない世界を規定する
私たちの生活の中でおこる自然現象は「古典力学(Classical Mechanics)」によって記述することができます。
例えば、「ボールを上に投げれば、ボールは手元に落ちてくる」ということを、私たちは経験的に知っています。
しかし、生まれたばかりの赤ちゃんにとっては、初めて知ることかもしれません。
一方、目には見えない粒子(原子や電子など)からなるシステムにおいておこる自然現象は「量子力学(Quantum Mechanics)」によって記述されます。
例えば、、と例を挙げたいところなのですが、挙げることができません。
なぜなら、私たちの生活で目にする経験がないからです。
つまり、量子力学を理解するためには、生まれたばかりの赤ちゃんになった気持ちで、新しい現象を認識するという姿勢が大事になります。
常識は通用しない世界なのです。
シュレーディンガーさんの思考実験「シュレーディンガーの猫」
量子力学の枠組みで、どのようなことを考えているのか、ということを理解するために、シュレーディンガーは「猫」を使った思考実験を考えました。
※ あくまで思考実験なので、実際に行った実験ではありません。
<思考実験>
生きている猫と一緒に爆弾(一定時間内に50%の確率で爆発)を箱に入れて封印するとき、最終的に猫はどんな状態になるだろうか?
猫にとっては迷惑な実験ですが、あくまで"思考"実験です。
まずは、「古典力学」に基づき、わたしたちの常識通りに考えてみます。
爆弾は、一定時間内に50%の確率で爆発するのだから、封印した箱を開けなくても、最終的に、猫は50%の確率で「生存」していて、50%の確率で「死亡」している、と考えられます。
一方、「量子力学」では、以下のような不思議な現象が起こります。
爆弾は、一定時間内に50%の確率で爆発するけれども、封印した箱を開ける前には、猫が「生存」か「死亡」か、どちらか一方の状態を取らない。「生存」か「死亡」かは、箱を開けた時に決まる、と考えます。
つまり、箱を開ける時まで「生」と「死」が重なり合っているのです。
あり得ないと思われるかもしれませんが、実際に「ミクロ」な世界では起こっている現象です。
これは「重ね合わせ(Superposition)」という量子現象として知られています。
量子コンピュータを理解するためにも重要な現象なので、是非覚えておいてください。