こんにちは、みっちゃんです。

今回は、「貞観 政要(じょうがん せいよう)」という中国の古典について紹介したいと思います。貞観政要とは、中国の"貞観"時代(627~649)の"政"治の"要"、つまり、今から約1400年前の中国で、政治を行う上で重要だと考えられていた心構えが記述されている書物です。

今月(2020年1月)には、NHKの100分de名著という番組で取り上げられるようなので、そのテキストを読んだ感想などを本記事で紹介したいと思います。

目次(まとめ)
- 貞観時代の繁栄は、大きなハンディーキャップを抱えた皇帝が築いた
- 古い時代に書かれた書物からも学べることは多い
- リーダーは舟であり、フォロワーは水である
- 参考文献

貞観時代の繁栄は、大きなハンディーキャップを抱えた皇帝が築いた

貞観政要は、貞観時代の皇帝である李世民が、理想の皇帝像を追い求めた記録のようなものです。李世民には、親族を殺害して皇帝になったという過去があり、その過去を払拭し、民衆から立派な皇帝だと思ってもらえるように努力したようです。

その記録を読み解くと、皇帝、いわば、リーダーがどうあるべきなのか、といった、現代にも通じる考え方が見えてきます。

古い時代に書かれた書物からも学べることは多い

貞観政要のように古い時代に書かれた書物(古典といいます)に書かれていることは、決して古いということはなく、現代人が学ぶべきことが多いです。

- リーダーは、謙虚であるべき
- リーダーは、いろいろな意見に素直に耳を傾けるべき(先入観をゼロにして)
- リーダーは、人間としてえらいわけではない
- リーダーは、歴史に学ぶべき
- リーダーは、周りを動かして、自分は何もしないのが理想
- リーダーは、長期的な視点をもつべき

※「リーダー」のところを「皇帝」に置き換えて読むと、1400年ほどタイムスリップできると思います。

リーダーは舟であり、フォロワーは水である

NHKテキストの中でも述べられていますが、中国の古典は、比喩表現が多彩で素晴らしいです。古典「荀子」の中には、「君主は舟であり、人民は水である」という意味の文があるそうです。

ここでは、君主をリーダー、人民をフォロワー(リーダーに引っ張られる者)に置き換えてみました。リーダー(舟)は、フォロワー(水)がいてこそ、活躍の場があり、リーダーが威張りすぎて、フォロワーがいなくなると、リーダーの存在意義が失われてしまいます。また、フォロワーが乱れてしまうのもチームとして問題です。

貞観政要の中で、この荀子の文章が、リーダーとしての心構えを説明する一例として用いられています。

貞観政要から学ぶことは多いと思いますので、理想のリーダー像、フォロワー像、チーム像を追い求めている方にはおすすめです。是非ご一読ください。

参考文献

出口治明「100de名著 呉兢 貞観政要」NHKテキスト2020年1月