目次(まとめ)

◾️ 島国である日本は、地理的に宇宙産業に適している

◾️ ゼロからはじめると失敗はつきものだが、その失敗から何かを学ぶことが大事

◾️ 自動車産業で培った技術は、宇宙産業に応用することができる

◾️ レビュー書籍


こんにちは、みっちゃんです。

今回の記事では、2020年4月にSBクリエイティブ株式会社より出版された「ゼロからはじめる力」を紹介したいと思います。

著者は、元株式会社ライブドア代表取締役の堀江貴文さんです。

本書では、堀江さんらが2013年1月に立ち上げた宇宙ベンチャー企業「インターステラテクノロジズ(Interstellar Technologies Inc.: IST)」のこれまでの試行錯誤の取り組みを中心に、ロケットの仕組みや、将来の宇宙産業の重要性などを紹介されています。

ここで "interstellar" とは、"恒星間空間" の意味であり、このベンチャー企業が目指す宇宙空間です。

島国である日本は、地理的に宇宙産業に適している

地球上から宇宙に向けてロケットを発射するための "場所" を考えるとき、その候補地は限られていて、飛行経路の下に広大な海が広がっていることが条件になります。

なぜなら、現在主流のロケットが "多段式" と呼ばれるものであり、ロケットが飛行中に不要になった部分を切り離して落下させながら飛行するものだからです。

もし、飛行経路下に居住地があれば、そこにいろいろ落下してきて危険というわけです。

ロケットが "上" に向かって飛んでいくものであると思えば、落下位置もロケット発射位置と重なり大きな問題にならないようにも思いますが、ロケットは "横" に飛んでいくものであるということに注意が必要です。

そもそも真上に飛んだとしても、地球が自転しているので、落下位置もずれてきそうですね。

宇宙ベンチャー企業のISTは、北海道広尾郡大樹町の太平洋の近くにあり、ロケットの製造から加工、発射まで、数キロ圏内で行っています。

宇宙ベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」の場所

ゼロからはじめると失敗はつきものだが、その失敗から何かを学ぶことが大事

わたしにとって "宇宙" とは、宇宙飛行士のような特別な才能がある限られた人にだけひらかれた空間で、ただ眺めるためのものです。

実際、このような考えは、多くの人にとって重なる部分もあるのではないかと思います。

しかし、宇宙産業に取り組まなければならない、という状況に直面すれば、完全にゼロから宇宙のことを学び、どのように宇宙空間にたどり着いて、その空間を活かしていくのか、考えていく必要がでてきます。

いち早く、この状況に直面した人は、当然、数え切れないほどの失敗を重ねることになりますが、その失敗を重ねながらさまざまなノウハウを集めていくことが将来的に非常に重要です。

本書が執筆された時点で、ISTが開発して発射したロケットは、16機とされています。

それぞれの機体は、異なった課題に対処する目的をもって打ち上げられました。

16機の中で、MOMO3号機と名付けられた機体が、ISTで初めて宇宙空間(一般には、高度100km以上と定義されている)に到達するという成果を生み出したそうです。

そのときの様子をとらえたYouTube動画は、ISTのWebサイトで公開されていますので、是非ご覧ください。

自動車産業で培った技術は、宇宙産業に応用することができる

近年、自動車は "電気" で動くようになってきました。

電気自動車は、通常のガソリンで動く自動車とは異なり、「環境に対して有害な物質を出さない」「自動運転に向けて制御が簡単」といった利点があります。

日本の自動車産業は、日本の経済成長を支えてきた産業ですが、その過程で蓄積されてきた技術の1つは、"ガソリンの燃焼技術" です。

しかし、電気自動車が主流になってくると、ガソリンを燃焼しなくなるので、培った燃焼技術は活かせなくなります。

したがって、燃焼技術は、自動車産業ではない他の産業で活用していく必要があります。

宇宙産業でロケットを飛ばす際には、現状では、燃料を燃やす必要があるので、自動車産業で培った技術を活用できそうです。

レビュー書籍

- 堀江貴文「ゼロからはじめる力 空想を現実化する僕らの方法」SBクリエイティブ株式会社