目次(まとめ)

◾️ 指導教官や先輩に研究室の雰囲気を聞きましょう

◾️ 研究室の名前は、あまり参考にならないので注意

◾️ わたしは、"実験" と "計算" ができて、留学生がいる研究室を選びました

いま理系大学3年生で、もう少しで卒業論文のために研究室に割り当てられるんですが、どうやって研究室を選べばいいいのかわかりません

研究室を選ぶときには、必ず事前に研究室を訪ねて、研究室の雰囲気を確認しましょう。

今回の記事では、わたしの経験談も含めて、研究室の選び方を提案します。

指導教官や先輩に研究室の雰囲気を聞きましょう

そもそも、どうして研究室を選ぶことが大事なのでしょうか?

わたしが思いつく理由は、以下のようなものです。

慎重に研究室を選びたい理由
✔︎ いい会社に就職したい
✔︎ 卒業したい(基本的に、どの研究室での卒業できると思いますが)
✔︎ (研究より)バイトや趣味の時間を充実させたい
✔︎ 充実した研究生活を送りたい
✔︎ 将来研究者になりたいので、将来にプラスになる研究室に行きたい



これらの理由は、どのような人生プランを考えるかによって変わってきます。

例えば、大学4年生で卒業して会社に就職することを考えている学生であれば、研究室はただ「卒業研究」という授業の単位を取るためだけの場になります。したがって、就職活動を自由にできて、卒業研究の単位を "快適に" 取れるような研究室を選ぶことになるでしょう。

一方で、大学を卒業したら大学院に進学、さらに研究職につきたいと考えている学生であれば、研究室で行なっている "研究" が充実している研究室を選ぶことになるでしょう。研究室のWebサイトなどがあれば "研究業績" や "publication"
のページで、研究活動が精力的に行われているのか確認しましょう。科学研究費助成事業データベース(https://kaken.nii.ac.jp)で指導教官の名前を検索してみるのもいいと思います。


ここで大事なことが、研究室の主宰者(指導教官)がどう思っているのか?ということです。

指導教官は「学生を教育する人」であるとともに「研究する人」です。つまり、教育者でありかつ研究者ということになります。

このバランスは、指導教官によってさまざまです。

指導教官によっては「就職活動は許さない」とか「研究室には毎日10時間滞在するべき」といった偏った考えを持っている人もいるのが事実です。

したがって、研究室を選ぶときには、事前に指導教官とコミュニケーションをとることが大事です(「時間がない」といった理由で一方的に断られる場合には、その研究室では指導教官から指導は受けられないと思った方がいいでしょう)。

研究室を選ぶときに指導教官と話してみてほしいこと
✔︎ 卒業したら就職したいと思っているが、受け入れてもらえるか?
✔︎ 何時から何時まで研究室に滞在する必要があるか?(コアタイムの確認)
✔︎ 今度配属された学生にはどのような研究をやってもらう予定か?(今いる学生と同じような研究テーマになるとは限りません)



ただし、指導教官は授業や出張などで忙しく、常に学生のそばにいて指導してくれるわけではありません。

そこで、先輩学生などとコミュニケーションをとって実際の研究室の雰囲気を確認しましょう。

研究室を選ぶときに先輩の学生と話してみてほしいこと
✔︎ 指導教官はどういう人か?
✔︎ 就職活動は不自由にできそうか?
✔︎ 何時から何時まで研究室に滞在する必要があるか?(コアタイムの確認)
✔︎ 研究室の雰囲気は?(静かなのか、うるさいのか、など)
✔︎ 個人のスペースはどれぐらいあるのか?
✔︎ コンピュータや実験器具などの割り当てはどうなっているのか?
✔︎ 留学生などがいるかどうか?
✔︎ 定期的なミーティングなど、研究室の行事などはどうか?

研究室の名前は、あまり参考にならないので注意

大学によっては、研究室にいろいろな名前が付いている場合があります。

例えば、"統計情報学分野" といった名前です。

研究室の名前は、正直、適当につけられているので、参考になりません。

研究室を訪問して雰囲気を確認する、それが難しいようであれば、研究室の概要をしっかり調べておきましょう。

わたしは、"実験" と "計算" ができて、留学生がいる研究室を選びました

理系大学の研究室であれば、大きく分けて、"実験" をする研究室と "計算" をする研究室があります。

"実験" をする研究室
例えば、化合物を組み合わせるような合成実験や、動物を使った解剖実験を行なうことで実験データをとって、考察しながら研究成果を出す研究室。どうしても、長い時間、研究室に拘束されることになりますが、充実した研究生活を送れます。

"計算" をする研究室
例えば、インターネットから得られるデータを入手して、コンピュータで分析することで、考察しながら研究成果を出す研究室。極端なことを言うと、コンピュータがあれば研究できるので、場所を選ばず、時間を問わず、研究できるメリットがあるかもしれません。

わたしは、ある意味欲張りで "実験" と "計算" を学べるような研究室に行きたかったので、その視点で研究室選びをしました。

また、英語などの語学を習得するためには、身近に留学生がいる環境がいいと思ったので、留学生がいる研究室選びをしました(現実は、留学生が日本語を習得するのが早いので、あまり英語を話す機会はありません)。


現代は、情報社会なので、できるだけ "計算" の技術を習得できるような環境に身を置いた方がいいかもしれません。

しかし、「"計算" で予想されたことが "実験" で確認できるとは限らない」ということを考えると、やっぱり "実験" が大事だと言えるかもしれません。


人生プランを考えつつ、充実した学生生活を送れるように、研究室を選んでください。