目次(まとめ)
◾️ ヒット率とは、キャッシュメモリからデータを取り出せる確率
◾️ 実効アクセス時間とは、ヒット率を考慮して計算されるアクセス時間
◾️ 参考文献
こんにちは、みっちゃんです。
今回の記事では、中央演算装置と主記憶装置との間で、処理速度の差をなくすために存在するキャッシュメモリの中に目的とするデータが存在するか考える「ヒット率」と「実効アクセス時間」について紹介します。
キャッシュメモリには、最近使用したデータを一時的に保存しておく機能があるので、いま使用したいデータがキャッシュメモリ内に保存されているか、という点に注目します。
ヒット率とは、キャッシュメモリからデータを取り出せる確率
「ヒット率」とは、中央演算装置がキャッシュメモリからデータを取り出せる確率、つまり、キャッシュメモリに取り出したいデータが存在する確率を意味しています。
例えば、20%の確率でデータが存在するのであれば、ヒット率は \(0.2\) となります。
逆に、中央演算装置がキャッシュメモリからデータを取り出すことができない確率、つまり、主記憶装置からデータを取り出す必要がある確率は、\(0.8 (= 1-0.2)\) となります。
実効アクセス時間とは、ヒット率を考慮して計算されるアクセス時間
中央演算装置が目的のデータを取り出そうとする場合、キャッシュメモリと主記憶装置において、データがあるかどうかを考える必要があります。
いま、キャッシュメモリにアクセスするのに要する時間が \(x\) 秒、主記憶装置にアクセスする要する時間が \(y\) 秒とすると、目的とするデータを取り出すために必要な時間は、ヒット率を \(h\) として、以下のように計算できます。
$$h \times x + (1-h) \times y$$
この時間を「実効アクセス時間」といいます。
応用情報処理試験などでは、アクセス時間とヒット率だけでなく、キャッシュメモリや主記憶装置の "容量" を問題で与えて実効アクセス時間を求めさせようとしますが、容量は実効アクセス時間の計算に無関係なので注意が必要です。
参考文献
きたみりゅうじ「キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者」技術評論社