こんにちは、みっちゃんです。

今回の記事では、有名科学誌であるネイチャー(Nature)から以下の記事を紹介します。

※記事のエッセンスだけ抜き出して初心者向けに紹介していますので、内容の詳細に興味がある方は(当然ですが)原著論文をご参照ください。

紹介記事(Reference)
Herb Brody, The gut microbiome, Nature 577, S5 (2020)


みなさんは「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」という単語を聞いたことがありますか?

この紹介記事では「腸内細菌叢」に関するさまざまな研究成果に対するイントロダクションが述べられています。

目次(まとめ)
- 「腸内細菌叢」とは、動物の中に住んでいる細菌たちがなす世界
- 「腸内細菌叢」が健康状態/疾患状態を決める
- 「腸内細菌叢」を操作して病気の発症を阻止する

「腸内細菌叢」とは、動物の腸に住んでいる細菌たちがなす世界

当然ながら、わたしたち人間は基本的に1人で生きています(社会的に見れば、いろいろな人との関わり合いで生きているとも言えますが)。

実は、わたしたち1人1人は、膨大な数の生き物を体の中に住まわせています。

住んでいるのは、 数兆個にも及ぶ微生物(細菌やウイルス、菌類) です。

このような微生物の集まりを「細菌叢」と呼んでいます。

人間にはさまざまな臓器(心臓や肝臓など)がありますが、それぞれが異なる細菌叢を持っています。

特に、生物医学研究で最も注目を集めているのは、腸内の細菌叢、つまり「腸内細菌叢」です。

「腸内細菌叢」が健康状態/病気状態を決める

世界中の研究者は、「健康状態にある人の腸内細菌叢」と「病気状態にある人の腸内細菌叢」を比較することで、「健康状態」「病気状態」を引き起こしている細菌を見つけ出す試みを進めています。

腸内には、全体で数百もの異なる種類の細菌が存在していて、その中には「有益な細菌」だけでなく「病原性の細菌」も含まれています。

実際に、 いくつかの疾患(ガン、多発性硬化症や自閉症スペクトラム障害といった自己免疫疾患など)は、腸内細菌叢によって影響を受けていると考えられています。

また、さまざまな疾患の治療薬も、腸内細菌叢と強く相互作用し、効果に影響を及ぼすことがわかっています。

「腸内細菌叢」を操作して病気の発症を阻止する

近年、 腸内細菌叢がどのように影響を受けているのかについての世間的な関心が高まり、 腸内細菌叢の健康に対する重要性が注目されるようになってきました。

特に、「食べ物の選び方」に関心が集まっています。

ある細菌生物学者は、私たちの健康に利益がある食べ物が何かということだけではなく、腸内細菌叢と食べるものとの間の関係にも注目しています。


今後の研究の進展が楽しみです。

英語学習者向けのメモ

*pathogenic:病原性の
*argue:主張する
*probiotic:体に良い働きをする細菌
*multiple sclerosis:多発性硬化症
*autism spectrum disorder:自閉症スペクトラム障害
*mental-health:メンタルヘルス
*mounting:高まる
*engineer:操作する
*thwart:阻止する
*reframe:見方を変える
*glean:収集する