目次(まとめ)
◾️ あなたの目が世界を正しくとらえているか分かりません
◾️ 生きるために必要な情報だけ見える世界
◾️ ダイアログ・イン・ザ・ダークで、人間のソーシャルネットワークを体感
◾️ レビュー書籍
こんにちは、みっちゃんです。
厚生労働省の調査(平成18年)によると、日本には30万人以上の視覚障害者がいるみたい。もし見えていたものが見えなくなったら、と考えると不安です。
見えないからこそ見える世界もあるようなので、不安になりすぎる必要はないかもしれません。
今回の記事では、2015年の出版以来増刷がつづいているベストセラー、光文社の「目の見えない人は世界をどう見ているのか」をレビューします。
あなたの目が世界を正しくとらえているか分かりません
「もし明日、目が見えなくなったらどうしよう」
みなさんは、こんな不安を抱いた経験はあるでしょうか?
最近では、人生100年時代とも言われているので、加齢とともに、さまざまな障害と付き合いながら生きることになる人が増えてくるかもしれません。
私も、目が見えなくなる不安を抱いた経験がありますが、「目をつぶれば視覚障害者のような感覚になるのではないか?」と、安易に思っていました。
しかし、実際には、以下のような方程式は成り立たないようです。
(目が見えない人)=(目が見える人)−(視覚)
つまり、目が見えない人には、目が見える人とは違う世界を見ているので、視覚の引き算では表現できないということです。
本書には、さまざまな例が紹介されていますが、例えば「月を思い浮かべて」と言われれば、目が見える人は視覚から得た情報を重視しすぎて "2次元的な月(平面的な丸)" を思い描くけれども、目が見えない人は "3次元的な月(球体)" を思い描くそうです。
そもそも「視覚」というのは「目」だけに支えられるべき感覚ではないので、さまざまな器官をフル活用して、世界を感じていきたいですね。
生きるために必要な情報だけ見える世界
わたしは学生時代にコンビニエンスストアでアルバイトをしていた経験があります。
そのときに、おにぎりと味噌汁カップ(お湯をすすいで作る商品です)を一緒に買われるお客さんが多かったので、「おにぎりを置いているところに味噌汁カップも置いておけばいいのでは?」と提案したことがあります。
しかし、この提案は「おにぎり売り場から、味噌汁カップ売り場に行くときに、ついでに何かを買ってくれる可能性がある」という理由で却下されました。
このように、目が見える人は、さまざまな場所で、さまざまな誘惑に駆られ、必要以上のものを購入してしまいます。
一方で、目が見えない人は、必要なものだけを購入することができます。
また「仕事の効率を上げるために、デスク周りをきれいにしましょう」などと言われたりしますが、これも目が見えるが為に起こることです。
つまり、目が見える人は、視覚から情報を取得しすぎな面もあるということです。
ダイアログ・イン・ザ・ダークで、人間のソーシャルネットワークを体感
なかなか、目が見えない人の見ている世界を体感することは難しいですが、それを体感できるエンターテイメント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(公式Webサイトはこちら)」があります。
この機会に、是非体感してみてください。
レビュー書籍
- 伊藤亜紗「目の見えない人は世界をどう見ているのか」光文社